ストレートフィットのベースボールシャツはパッチワーク風のポケットやデザイン。下からライニングをあえてのぞかせたショーツなど現代のサヴォアフェールが詰まっている。









DESIGNER’S STORY


DESIGNER’S STORY
NORTH HILLという新しいムーブメント。

パリの北部、サクレクール寺院を誇るモンマルトルの丘から名付けられた気鋭のブランドNORTH HILLを立ち上げたのは、クリストフ・ファン・ワーテルムーラン、ミカエル・フリジ、ジアッド・ドゥボアの3人。彼らはフランス人ではあるけれども、それぞれ違ったバックグラウンドで育っている。アメリカ、イギリス、スペイン、カリブ海のマルティニークといった、都市あるいは自然をベースに文化や風土、情報の細部に至るまで全く違った原体験を持つ。それらを携えた3人はパリで出合い、化学変化を起こした。IESEG経営大学院生だった彼らがストリートウェアブランド、Feel Good Parisをローンチしたのは2012年。ローカルであるパリにこだわったブランドづくりを目指し、2014年にクリエイティブの全般から生産まですべて地元で完結させる仕組みを整え、ブランドNORTH HILLをスタートさせた。まだフレッシュなブランドではあるけれど、Kery James、Sopicoなど次世代のミュージシャンからの支持も厚い。2019年の春夏コレクションのテーマは、Nouvelle École de Paris.(ヌーヴェル エコール ド パリ)。かつて多くの芸術家が学んだ愛すべきパリには現在も多くのアーティストが集まり、ムーブメントを起こしている。そんな自らを含む新しいクリエイターたちにフォーカス。現代の文化やクリエイティブが集結し作り上げていく未来を見越した現在のヌーヴェルなムードそのものが投影されたコレクションだ。


2019 SPRING / SUMMER COLLECTION
ルックブックに今のパリのクリエイティブシーンを垣間見る。









胸ポケットに今シーズンのテーマ“Nouvelle Echole de Paris”の刺繍入り。今季を代表するボクシーなシャツはミッドウェイトのコーデュロイ素材で品良く。今季外せないショーツはメッシュがちらりと覗くポリコットンでノックアウト。





BUYER’S EYES


BUYER’S EYES
自国のクリエイションにこだわる若手デザイナー。


MENS BUYER 迫村岳


基本的にシーズンテーマにあまり縛られずに良いものをバイイングしていきたいと思っています。新規と既存のブランドの両方を取り扱う中で、僕は既存のブランドが続けていく中でどう変わっていくのかを見ることに面白みを感じているので、一度取り組むとできる限り長くやりたいと思っています。たまたまパリでバイイングの移動中にフラッと立ち寄ったNORTH HILLのショールームは、窓の外からみるだけで雰囲気が良さそうなのがわかりました。現在のメンズのファッションの流れにおいてストリートの動きは無視できないですが、ADAM ET ROPÉがストリートを表現するときには、アメリカのHIP HOPカルチャーを直接落とし込むのは違うなと。NORTH HILLはストリートのカルチャーやデザインからインスピレーションを受けているんですが、“悪そう”な感じがしなくて上品で知性的なムードがいいなと。さらに、彼らの自国で生産することを大切にしたいという姿勢にも共感しました。実際、お客さん視点で考えたときに、プロダクトとしてすべてフランス製って最適ではないと思うんですよね。しかし、今フランス製のものづくりがほぼなくなっている中、あえてそういう背景を大切にすることで、彼らなりの価値を見出してこだわっているのがかっこいいなと。フランスのアイデンティティをデザインにもさり気なく出してくるところもいいなと思ったし、偶然立ち寄ったから出合ったっていう、こんな縁もアリなんじゃないかな。これからがどう変わっていくのか楽しみなブランドのひとつです。





今シーズンのTシャツのグラフィックにはモリスや北斎などの人気の絵画を使ってコラージュし作品の新しい解釈を提示。こちらは地下鉄の駅名を切り貼り。飛び出たライニングが洒落たショーツと粋に決めたい。




Photographer: Sodai Yokoyama
Stylist : Arisa Tabata
Hair: Yuko Aoi
Make up: Dakuzaku(Tron)
Model:Anahi Puntin(Unknown)
Editor: Yuka Sone Sato