軽くて清涼感があり、特有の表情が楽しめる。洗える和紙の服の登場によって、高温多湿な日本の夏も快適に過ごせそう。

和紙を原料とした服作りは、今に始まったことではない。しかし、洗濯機でも洗えて、シワや毛玉もできにくく、気軽に着られる。そんな和紙のニットウェアが生まれたというのは新しい展開だろう。日本のニッティングメーカー、澤田株式会社が手がける「camifine®」は、和紙の特長を最大限に生かした機能性ファイバーだ。高温多湿な日本の夏。うだるような暑さを少しでも快適に過ごせるようにと、春夏向けの素材開発はどこのメーカーも頭を悩ませているところ。そんな局面で、和紙を伝統素材だからではなく、あくまでも夏服としての機能性を利として取り入れたというから興味深い。製造工程としては、木材から作ったパルプを漉いて和紙を作り、極細にカットして糸状にする。その後、研究された特殊な撚り方でポリエステルの糸と撚り混み、編み立てる。こうして軽くて吸水速乾性に優れ、丈夫でイージーケアな春夏ニットを完成させた。糸作りから編み上げまで一貫して行える同社は、その強みを最大限に活かし、シャリ感もありつつ肌触りの良い編み方まで研究。



糸作りからニッティングまでトータルで提案することにより、和紙を使ったニットの一番の成功モデルを築いたのだ。今季ADAM ET
ROPÉはcamifine®を用い、麻ライクな清涼感と紙の軽さを両立させたセーターやカーディガンをラインナップ。和紙ならではの表情変化や落ち感を感じてもらえるよう、糸の太さ、編み方を変えた、無地のものを数型リリースしている。和紙にしかできない洋服の表現が絶対的にあり、着る喜びを我々に与えてくれる。早くなるファッションサイクル同様、新素材も消費されるように市場から消えていく昨今だが、ここに来て和紙素材は目新しさだけでは片付けられるものでなくなってきた。


いつものスタイルにプラスオン。


和紙ミックスニットをTシャツスタイルにオンするだけで、新鮮さをプラス。
さらにクルーネックが上品な印象を作り出してくれる。




変化を楽しむカーディガン。


ドロップショルダーのカーディガンは、華奢でリラックスしたイメージを演出。付属のベルトは取り外しが可能なため、その日の気分によって変化を楽しめる、とっておきの1枚だ。




Photographer: Junpei Ishikawa
Writer: Junpei Suzuki